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アメリカでミニマリストに人気のブランドEVERLANE(エバーレーン)

今アメリカで話題のアパレルブランド、EVERLANE(エバーレーン)をご存知でしょうか。

EVERLANEはサンフランシスコ発のアパレル企業。
オンライン販売をベースとしていましたが、最近では店舗数も着々と増やし、2022年現在アメリカ国内に11店舗を展開しています。

2010年に設立されたばかりの新しいブランドですが、
ミニマリスト的ベーシックなデザインと、高品質のわりにリーズナブルな価格設定で人気を集め、
またたくまに売上を伸ばし、急成長を遂げています。

本日はそんなEVERLANEの人気の秘密についてご紹介したいと思います。



なお、エバーレンで購入したアイテムのレビューはこちらの記事でご紹介しています。

「原価」を包み隠さず公開

EVERLANEの人気の鍵を握るのは、その流通の「透明性」。

まずはEVERLANEのウェブサイトをご覧ください。

このベーシックなカシミアセーター

ページを下にスクロールすると、なんと原価が公表されているんです。

このオンラインサイトで販売されているすべてのアイテム、
生地が縫製されて服になって輸送され、消費者の手元に届くまでにかかる費用が、
すべて包み隠さず公開されています。

このカシミアセーターの場合、
生地代が$27.83、金属類代が$1.6、人件費が$13.69、関税が$1.72、輸送費が$0.6で、
それらをひっくるめたTrue Cost(原価)が$45。

そして、原価にEVERLANEの利益を上乗せした、最終的な販売価格が$130。
右下に書いてあるのは、一般的なブランドが設定するであろう価格。

確かに、お店で人気ブランドのカシミアセーターを見ていると$200超えはざらです。
EVERLANEの価格設定がいかにリーズナブルなのかがわかります。

製造過程の「見える化」

アイテムは高品質なのにここまで価格が安いと、ひとつの疑問が湧いてきます。
それは、服をつくる側である労働者がハッピーなのかということ。
果たして労働者はまともな労働環境で作業し、妥当な賃金を受け取っているのでしょうか。

実はEVERLANEは、商品の製造過程をも公開しています。
オンラインサイトをよく見ると、
すべてのアイテムに製造工場が記載されています。

このカシミアセーターは中国の東莞市にある工場で製造されたようです。

さらにその横の「See the factory」を開くと、
工場の従業員数、築年数などの詳細が明記されています。

また、工場で働く人々の様子まで見ることができます。


写真を見る限り、明るく綺麗な環境で従業員が作業している様子が伺えます。

昨今、低価格を売りにしたブランドの多くがその工場を発展途上国に置き、
人々を「低賃金」「長時間労働」といった劣悪な条件下で働かせ、世界中で大きな波紋を呼んでいますが、
そんな中、EVERLANEのように労働環境や人件費をオープンにするという取り組みは革新的。

それではなぜ、労働環境を整え労働者に妥当な賃金を払いつつも、低価格を実現できるのか。
その答えは実店舗よりもオンラインでの販売に注力しているからでしょう。

実際、エバーレーンの公式オンラインストアでは商品ごとに詳細な寸法を記載しており、着用動画や口コミも充実しているので自分に合ったサイズがわかります。

またインフルエンサービジネスにも注力していることから、顧客は店舗に行かなくても商品のイメージを掴むことができます。実店舗を極力持たない分コストをカットでき、その分価格に反映できるのでしょう。

低価格が労働者の犠牲の上で成り立つのではなく、
工夫された流通システムのおかげで実現できる。
そしてただ安ければいいというわけではなく、このように消費者にも労働者にも忠実な企業だからこそ、
多くの人々の支持を集めているのだと思います。

かつてはオンライン1本勝負だった

過去、EVERLANEは実店舗を持っておらず、販売はオンラインのみでした。
実物を手にとって見たり着てみたいという方のために、ショールームがありました。

実店舗販売の開始にともない現在はクローズしていますが、かつてニューヨークのファッション地区・SOHO(ソーホー)の一角にショールームがありました。以下は当時の様子です。

このビルの5階がEVERLANEのショールーム「THE SOHO STUDIO」。
知らないとわざわざ来ないような、ちょっとわかりづらい場所にあるのにもかかわらず、
絶えず人が出入りしていました。

エレベーターで5階に上がると、明るいスタジオにたくさんのお客さんが溢れていました。

アイテムのデザインはシンプルなものばかり。

シルクブラウス、カシミアニット、黒のトラウザーパンツ等、
ワードローブの必需品となるようなベーシックなアイテムが並びました。

服だけではなく、バッグやシューズも並んでいました。


レザーグッズはイタリア製のようです。

EVERLANEは「シンプルなデザイン且つ高品質なブランド」ということでよくユニクロと比較されますが、
個人的にはEVERLANEの方がより落ち着いたデザインだという印象。

気になった商品があれば、店内奥の試着スペースで試すことができました。

でも、当時ここはあくまでショールームだったため、気に入った商品があっても、買って帰ることはできませんでした。

ショールーム内のいたるところに設置されているコンピュータから、気に入った商品を注文します。
注文した商品は、後日自宅に郵送される、というシステムをとっていました。

現在はEC×実店舗でさらなる事業拡大

かつてオンライン販売一本で展開してきたEVERLANEですが、
2017年中に初の実店舗をサンフランシスコにオープン。現在ではアメリカ国内に11店舗を展開しています。

今ではSNSで見かけない日はないくらいメジャーなブランドのひとつに成長しました。
EVERLANEの今後の展開に注目です。

エバーレンで購入したアイテムのレビューはこちらの記事でご紹介しています。